福岡市総合図書館映像ホール・シネラ(福岡市早良区百道浜3-7-1、TEL:092-852-0600)では8月16日(水)から27日(日)まで、アジアフォーカス・福岡国際映画祭協賛の「タイ映画特集」で、90年代から現代までのタイ映画10作品を上映します。
観覧料は、定員制、各回入替制で500円(大人)、400円(大学生・高校生)、300円(中学生・小学生)となっています。なお、チケットはすべて当日券で前売り券はありません。
上映作品の概要、上映スケジュールは以下のとおりです。
◆ムアンとリット(Muen and Rid)=8月16日(水)11:00、27日(日)14:00
監督:チャート・ソンスィー
出演:チンタラー・スッカパット サンティスック・プロムシリ
1994年/35ミリ/カラー/120分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
僧侶のリットは川で溺れかけていた娘ムアンを助ける。リットに恋をしたムアンは、彼に会いたい一心で文字を習い始める。しかしリットは僧侶であり結婚は許されない。父親により金持ちのプーと結婚させられるムアンだが、家を逃げ出しリットに助けを求める。19世紀のタイが舞台で、物語は史実に基づいている。リットと結婚したいというムアンの訴えは4年に渡って続き、その願いはついに国王ラーマ四世に聞き届けられた。当時のタイでは女性は人間扱いされておらず、まさに画期的な出来事であり、ムアンは女性の権利のために闘ったタイで最初の女性とされている。アイドル女優チンタラー・スッカパットの迫真の演技も素晴らしい。
◆ファン・バー・カラオケ(Fun, Bar, Karaoke)=8月16日(水)14:00、27日(日)11:00
監督:ペンエーク・ラタナルアン
出演:パイブーンキャット・キアオケーオ フェイ・アッサウェート
1996年/35ミリ/カラー/102分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
社会に適応できない女性のプーはマフィアの手下ヨーイと知り合う。プーの父親はホステスのヨクと知り合うが、ヨクはマフィアの愛人で、父親はヨクから手を引くように脅される。現代的なバンコクの裏側を舞台とした作品。監督はニューヨークで映画作りを学んでおり、本作によりタイ映画のニューウェーブとして注目された。
◆運命からの逃走(Who is Running?)=8月17日(木)11:00、25日(金)11:00
監督:オキサイド・パン
出演:サンヤー・クンナゴーン ナッタリガー・タンマプリダーナン
1997年/35ミリ/カラー/105分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
ジァップとワーンは結婚を予定していた。ところがワーンは交通事故で危篤状態となる。そしてジァップの前に謎の僧侶が現れ、5人の命を救えばワーンは助かると告げ、未来の死亡事故が載った新聞を手渡す。特撮技術を駆使した娯楽作品で、タイで大ヒットし日本でも公開された。輪廻転生という仏教的な考えを元にしている点がタイらしい。
◆ムーンハンター(The Moonhunter)=8月17日(木)14:00、25日(金)14:00
監督:バンディット・リッタコン
出演:パーヌ・スワンノー ピンパン・チャンタ
2001年/35ミリ/カラー/122分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
1973年のバンコク。民主化運動を推進するタマサート大学の学生セークサンは、身の危険を感じジャングルに身を隠す。タイ共産党のキャンプに隠れたセークサンだが、彼は友人たちを集め党の指導者に反対するのだった。映画の主人公セークサン・プラスートクンは作家として活躍する実在の人物。タイの民主化運動や共産党の活動などこれまで知られていなかった部分を描き出した社会派の力作。
◆ワン・ナイト・ハズバンド(One Night Husband)=8月18日(金)14:00、26日(土)11:00
監督:ピムパカー・トーウィラ
出演:ニコル・テリオー シリヤゴーン・プッカウェート
2003年/35ミリ/カラー/118分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
シパンはナパットと結婚するが、結婚式の夜、不審な女性からの電話の後ナパットは姿を消してしまう。ナパットの行方を探すうち、シパンは彼女の知らないナパットの一面を知っていく。二人の女性と一人の男性の愛憎渦巻く作品で、心理描写に重点をおいた本作はタイ映画のニューウェーブとして評価された。
◆早春譜(Seasons Change)=8月19日(土)11:00、24日(木)14:00
監督:ニティワット・タラートーン
出演:ウィタワット・シンラムポーン チュティマー・ティーナパート
2006年/35ミリ/カラー/117分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
ボムは憧れの女性ダーオが音楽学校へ行くことを知り、得意のドラムで音楽学校に合格する。学校には親戚の女性オームがいた。オームとはすぐに親しくなるのだが、ダーオとの距離は一向に縮まらない。高校生の微妙な三角関係をビバルディの名曲「四季」に乗せて描いた青春映画。コミカルで切ない青春の一コマが描かれタイで大ヒットしている。
◆10月のソナタ(October Sonata)=8月19日(土)14:00、24日(木)11:00
監督:ソムキアット・ウィットゥラニット
出演:ラチャウィン・ウォンウィリヤ タナワット・ワッタナプティ
2009年/35ミリ/カラー/114分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
民主化運動が高まる1970年のタイ。偶然出会ったラウィーとセーンジャンは、2年後同じホテルで会う約束をして別れる。そして2年後セーンジャンは約束のホテルに来るがラウィーは現れない。70年代という時代を背景にした一種のすれ違いメロドラマ。70年から84年のタイの政治状況を上手く盛り込んでいる。
◆ありふれた話(Mundane History)=8月20日(日)11:00、23日(水)11:00
監督:アノーチャ・スイッチャーゴーンポン
出演:パークプーム・スラポンサヌラック アーカネイ・チャーカム
2009年/35ミリ/カラー/81分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
エークは事故のため下半身不随となり、介護のためパンという男性が雇われる。エークは当初施設に入っていたが、その後自宅の二階で暮らすようになる。エークは父親とは会話をしないがパンとは次第に打ち解けていく。パンとエークの日常生活を淡々と描いた作品。その中に突如神秘的な映像が挿入され、不思議な感覚をもたらしている。※15歳未満の方は鑑賞できません。
◆恋するリトル・コメディアン(The Little Comedian)=8月20日(日)14:00、23日(水)14:00
監督:メート・タラトーン ウィッタヤー・トーンユーヨン
出演:チャイン・リキッドジャルーンポン ポーラ・テイラー
2010年/35ミリ/カラー/128分/タイ/
日本語・英語字幕付き
【ストーリー】
13歳の少年トックの父親はお笑い一座の座長だった。父親に認められたいトックは仲間とお笑いの練習をするがなかなかウケない。ある日ニキビの治療で病院に行ったトックは女医のプリヤーに一目ぼれしてしまう。少年トックと家族の心温まる作品だが、レストランなどで公演するタイ独特のお笑い劇団が描かれる事が興味深い。楽しい娯楽作品。
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