今回の「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2017」(9月15日~24日)では、日タイ修好130年を記念してタイ大特集「映画の美味(エビ)でタイを釣る」と題して、タイの新作・話題作の特集上映をはじめ、監督や映画製作に関わる専門家をゲストに迎えてシンポジウムなどを開催します。
タイ大特集では、今年の話題作「頭脳ゲーム」をはじめ、以下の8作品が上映されます。
◆頭脳ゲーム(ฉลาดเกมส์โกง Bad Genius)
2017年/タイ/130分
[監督]
ナタウット・プーンピリヤ
[ストーリー]
超成績優秀な女子高校生リンは、試験で友人を助けたことから、あるビジネスを思い立つ。試験中に彼女が答えを教え、代金をもらうというものだ。さまざまな手段を講じて試験を攻略する学生たち。リンの売り上げも増加する。そして多くの受験生の期待を背に受け、大学進学統一試験というビッグビジネスに挑む。
※Facebook ⇒ ฉลาดเกมส์โกง
◆いつか暗くなるときに(ดาวคะนอง By the Time It Gets Dark)
2016年|タイ・オランダ・フランス・カタール|105分
[監督]
アノーチャ・スウィチャーゴーンポン
[ストーリー]
タイのアート系映画を牽引するスウィチャーゴーンポン監督の2作目。ある女性監督が70年代に学生運動家だった女性に脚本のためのインタビュー取材をする。次第に記憶と空間が交錯し、絶妙なコラージュを見せていく…。タイ・アカデミー賞、監督協会賞で作品賞・監督賞などを受賞した刺激あふれる映像詩。
◆明日への戴冠(The Crown เทริด)
2016年/タイ/99分
[監督]
エカチャイ・スィーウィチャイ
[ストーリー]
タイ南部で古典舞踊ノーラーの公演を生業とする一座。座長である父親の想いに反して、息子はギターを片時も離さず、舞踊には興味を示さない。議論の末、一座を飛び出した息子はストリートバンドに参加し人気を博す…。タイ南部のゆったりとした美しい風景を舞台に、その伝統的な文化芸術、精神風土を描く。
◆ガス・ステーション(A Gas Station ปั๊มน้ำมัน)
2016年/タイ/110分
[監督]
タンワリン・スカピシット
[ストーリー]
ガソリンスタンドのマンの元には、彼に恋心を抱く女性二人が毎日のように訪れてくる。いつも赤いドレスを纏っている中年女性と毎回異なるコスプレで現れる女子高生。でも彼には忘れられない女性がいた…。無国籍感漂う独特の世界観で魅せるこのラブストーリーは、タイ映画監督協会賞観客賞などを受賞。
◆マリー・イズ・ハッピー(Mary is Happy, Mary is Happy)
2013年/タイ/125分
[監督]
ナワポン・タムロンラタナリット
[ストーリー]
実在するひとりの女の子が発した410件のツイートから発想された作品。卒業を控えたマリーはゆるゆると残りの高校生活を送っていた。親友スリとともに卒業アルバム制作の担当となり、マリーはアーティスティックに仕上げようと意気込むが…。多感な青春の日々がシュールに展開するファンタジックな作品。
◆噂の男(The Master)
2014年/タイ/80分
[監督]
ナワポーン・タムロンラタナリット
[ストーリー]
かつてバンコクのマーケットの一角に、ひとりの男が経営するビデオ店があった。古今東西のアート系作品を海賊版で取り揃え、シネフィルたちの欲求を満たす「あの男の店」として若者の間で話題になった。その伝説のビデオ店の興亡を、今や一線で活躍するかつての常連客とともに振り返るドキュメンタリー。
◆見えざる者(The Unseeable เปนชู้กับผี)
2006年/タイ/97分
[監督]
ウィシット・サーサナティアン
[ストーリー]
時は1930年代。ひとりの身重の女性が行方知れずになった夫を捜し歩き、とある屋敷を訪れた。謎の夫人が暮すその屋敷に彼女は迎えられるが、彼女の周りで不気味な現象が起き始めた…。サーサナティアン監督が特有の美学とストーリーテリングで贈るスタイリッシュかつクラシカルな雰囲気に満ちたホラー。
◆サンティとウィーナー(Santi-Vina สันติ-วีณา)
1954年/タイ/117分
[監督]
タウィー・ナ・バーンチャーン
[ストーリー]
タイ初の35mmカラー長編劇映画という記念碑的作品。長年、上映できる素材が無く鑑賞できなかったが、14年にネガフィルムが発見された。4Kデジタル技術を駆使し1700時間かけ修復、16年に完全版が完成。サンティとウィーナーが紡ぐひたむきな愛と苦悩の物語が、公開当時の全カット、色彩で甦る。
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